スラ代表のG1を斬るっ!~2021エリザベス女王杯

伝統の牝馬限定G1!

ひと昔前は2400メートルで行われていたレースですが、すっかり2200メートルで定着した感があります。今年も去年に引き続き阪神競馬場で開催されますが、去年の結果を見る限り、京都競馬場での開催よりも馬の個々の能力が重要になる、締まったレースになりそうです。

去年の開催はノームコアがスタートからかなり飛ばす展開になってしまったため、後ろから差す馬で決着しましたが、今年はそんな馬もいないし、そのような展開になる可能性は低いため、本来の阪神2200メートルにあるような持続力勝負になると考えます。

馬券の中心はオールカマー組

本来ならば東京競馬場で開催された前哨戦の、府中牝馬ステークスの馬との比較になるのですが、今年はそこの上位の馬が1頭も出てきておらず、専らオールカマー組からの考察になっていきます。かなりの実力をもつ牡馬相手に勝ち負けした牝馬が揃っており、ここから考えるのが妥当です。

そして忘れてはならないのが秋華賞を勝って、こちらにも挑戦してきたアカイトリノムスメの取捨選択でしょうか。

オールカマーと同じような流れになる?

前述した通り、去年のエリザベス女王杯はノームコアが1頭で飛ばす展開になってしまい、かなりの速いペースでレースが展開しました。結果連対した馬は3頭ともに差し馬という結果。掲示板に乗った馬で唯一先行したのが、今年のオールカマーの勝ち馬のウインマリリン。今年の天皇賞で5着するような、牡馬顔負けの成績を残しています。

オールカマーは前後半淀みなく流れ、2200メートルではお決まりの3コーナーからペースが上がる競馬になりました。海外G1を勝っているグローリーヴェイズですらも捲り切れなかった所を見ると、ウインマリリンは2200メートル前後のレースでは、かなりの強さを持っています。レイパパレが直線途中から先頭に立ち、良い粘りを見せていましたが、丁度2000メートルくらいの所から脚が鈍り、良い目標となったのもウインマリリンには好材料だったでしょう。

今年のメンバーを見ると、さしあたって去年のようなスタートから飛ばすような馬は見当たりません。もっとも、去年のノームコアもプレッシャーを受けた関東馬の苦肉の選択だったことには間違いないです。可能性があるとすればレイパパレとウインキートスですが、ルメール騎手は逃げてもペースは必ず守るでしょうし、ウインキートスの前走は位置を取りに行く競馬をしており、こちらも一発大逃げの可能性は低いと見ます。

だとすれば、阪神コースの2200メートル特有の「3コーナーからペースが上がる」流れになると考えて間違いないと考えます。前哨戦のオールカマーで好走したメンバーが再び激戦を繰り広げるのですが、G1ということで騎手同士の駆け引きも重要になってくるでしょう。

ルメールVS武志

大阪杯を勝ったレイパパレは、海外出張中の川田騎手からの代打にルメール騎手を迎え、巻き返しを計ります。その大阪杯の疲れがあったのかは分かりませんが、宝塚記念は3着、そしてオールカマーでは4着と良馬場とはいえイマイチな結果に終わっています。

2200メートルを2回走って同じように粘りきれない所を見ると、可能性として距離が長いことが考えられます。よって間違いなく今回はルメール騎手がどのようなタイミングで仕掛けていくかが勝利のカギになると考えます。休み明けの前走から調子を上げてきたとしても、距離の壁があるとしたら克服するのは容易ではなく、リーディングジョッキーのルメールの手腕が試される所です。

それに対抗するウインマリリンは脚質こそ似ているものの、トリッキーな競馬場に強く、長い距離も難なく走れるために、レイパパレよりもレースそのものに余裕があります。2回連続でG1を勝った横山武志騎手ならば、オールカマーと同じようにリーディングジョッキーに負けない騎乗をすると思います。ただしあまりレイパパレを意識しすぎると、切れる脚をもっていないこの馬の場合、他の差し馬に出し抜けを食らう可能性もあります。オールカマーでウインキートスが最後に見せたような鋭い脚で追い込まれた場合にも対応出来るようなハイレベルな仕掛けを打って出る必要はあります。

双方に弱点はある、そこをぶち抜く穴馬は?

上記したとおり、レイパパレ、ウインマリリンともに強いとは言えども弱点と言える所はあります。であるならば、この弱点を突けるような穴馬を探してみるのも面白そうです。

イメージとしてはレイパパレがラストの150メートルくらいで脚が止まり、そこをウインマリリンがかわした直後に速い脚で追い込んできて、まとめてかわしきるレベルの脚を持った馬ですね。しかし、そんな馬がいるものなら、とっくに本命にしているというかもしれませんが、去年のサラキアのように長い距離を走らせた場合に、適性によってこれが突然発現するのも競馬の面白い所です。

成績とイメージで一番合致するランブリングアレーに白羽の矢をたてます。前走のオールカマーは本命にした人も多いのではないでしょうか。ヴィクトリアマイルでの走りを見たら押さえて当然の馬だったと思います。しかし、結果は7着に敗退。レースそのものが一番不得意な形になったのもそうですが、ここで初めて騎乗した戸崎騎手も、この馬の特性をそこまで理解しての騎手ではなかったと考えます。

ランブリングアレーが負けているレースに共通しているのは、馬込みのなかでペースが上がり、なし崩しに脚を使わされているという事が言えます。勝っているレースは先行するにせよ、差すにせよ自分の競馬に徹し、脚をためて差しきるパターン。今回騎乗する吉田隼人騎手も、ターコイズSの時に一度失敗しており、そのあたりをしっかり踏まえた上でのヴィクトリアマイルの好走だったはずです。2200という距離も前走で経験しており、馬のクセを知っている隼人騎手に戻ったランブリングアレーに逆転の一手を託すのは、あながち間違いではないと思っています。

出るかディープインパクト産駒の一閃!

先に挙げたランブリングアレーもディープインパクト産駒ですが、同じディープインパクト産駒からもう一頭、人気どころを両断できそうな馬を挙げておきます。

連勝から挑んだ初G1のヴィクトリアマイルは惨敗したテルツェット。東京の高速馬場では脚が溜まらず後方のままでした。向かえた夏の札幌競馬場のクイーンSでは、カミソリのような切れ味で強豪のマジックキャッスルを差しきっています。多少時計のかかる馬場の方が合っていて、ペースの上がらない阪神の内回りは得意と見ます。後半のペースアップにどう対応するかがカギにはなりますが、そこで脚を使わずラストに掛ける競馬に徹すれば、上位の1角崩しもあると思っています。

3歳馬の取捨

エリザベス女王杯が古牝馬混合戦になってからは、秋華賞からエリザベス女王杯へのローテーションで結果を出している馬はあまりいません。秋華賞で力を使い切ってしまい、エリザベス女王杯では古馬相手に苦戦するケースが多いからです。ですが、今年の秋華賞を勝ったアカイトリノムスメは前哨戦を使っておらず、関東馬で輸送があることを考えても歴代の3歳馬よりかは余裕があります。問題はその能力が通用するかどうかの1点。

2歳の時から激戦を繰り広げてきたソダシを物差しにして考えると、札幌記念をみる限りでは十分に足りそうではあります。叩き型であった母アパパネの事を考えても、2戦目でのさらなる上昇に期待はできるでしょう。問題は阪神2200メートルという特殊なレースのペースで脚が溜まるかという点です。瞬発力勝負では強い所を見せますが、長い脚を使うレースになった場合、前走のようにギリギリの競馬になる可能性が高いです。キャリアの少なさ故に勝負所で後手を踏んだ時は、オークスのように届かない場面もあると思います。

注目のウインマリリンの出来は?

今週の調教評価です。不調が噂されているウインマリリンの出来が気になっていましたが、今週の動きを見ると脚の駆動域に問題があるわけでもなく、特段不自然な動きもしていません。むしろ前回のオールカマー時よりも良い印象すらあります。なので特に不安説は気にせず馬券を考えて問題なしと言い切ります。

コース追い切り、坂路、芝コースと今週は各馬様々でしたが、人気のレイパパレは変わらず坂路で良く動いています。アカイトリノムスメもそこまで攻めてはいませんが、輸送を考えればこれくらいが精一杯かな、といった印象です。

好調教で挙げるのは2頭、この2頭は調子という面ではずば抜けています。

ウインキートス 特★★★★★

美浦のウッドで単走。長めの距離を速いラップで駆け抜けていて、身体の動きも申し分なし。鞍上は終始持ったままの手応えで、丹内騎手との呼吸は完璧にあっています。前走で見せた差し脚には、まだ底のないところが伺え、阪神コース初というところに目をつむれば、これが本命になりますね。

ソフトフルート 特★★★★★

こちらは栗東ウッドで併せ馬。全体タイムは出していませんが、何より重たいウッドコースでラストまで馬なりのまま、並走馬を突き放しています。前肢と後肢がぶつかりそうな程の動きの良さが見えます。G1を走るとなると成績的にはイマイチですが、3連係の穴として狙うのも面白そうですね。

難しい予想印は?

有力各馬に不安要素や減点材料があるために、トータルでみて実力通りの結果になると考えます。

◎ レイパパレ

◯ ウインキートス

▲ ウインマリリン

以下

テルツェット、ソフトフルート、ランブリングアレー、アカイトリノムスメ

◎からの馬連、穴目にワイド。3連係はトリガミになりそうだから、今回は控えめに買うのが良さそうです。

今週も全馬無事にゴールを!