スラ代表のG1を斬るっ!~2021秋華賞

1強か、それとも

3歳牝馬ながら伝統の夏の重賞、札幌記念で古馬を力でねじ伏せたソダシ。圧倒的な一番人気に推されるのは間違いないですが、本当にソダシ1強という評価で良いのでしょうか?

夏の間に成長した上がり馬や、逆転を狙う春の上位馬に付け入る隙はあるのでしょうか?気になる部分は色々とありますが、まずはソダシが勝った札幌記念から検証していきます。

得意な消耗戦

オークスでの敗退が示すように、ソダシはバネを生かした瞬発力勝負よりも、長く脚を使う持久力戦の方が向いています。トップスピードを維持し続ける事に長けていて、父譲りのパワーと根性で最後まで走り抜きます。

札幌記念はまさにそういったレースでした。トーラスジェミニの作った前半3ハロンの入りが34.9で、途中から主導権を握った後は、淀みのない流れを自ら作りだし、ラストの3ハロンを35.4でまとめています。特にそのラスト3ハロンは、全て11秒台で走っていて、洋芝巧者のラヴズオンリーユーでも、海外帰りで休み明けの状態ではとらえきれなかった形になりました。

今年の8月の札幌競馬場は、良でも芝質が重く、この事もソダシの勝利を後押ししたと考えています。したがって札幌記念はソダシが勝つ条件が整っていたという事が言えます。もちろんその御膳立てをした吉田隼人騎手もオークスの反省を生かしたナイスな騎乗に間違いはありません。

秋華賞でも同じレースができれば、勝ち負けなのは間違いないでしょう。阪神コースに変わりはしますが、特段不得意なコースということもなく、桜花賞を見る限りでは速い馬場にも対応できると思います。

問題として、札幌記念よりも頭数が増えることにより、紛れの要素も増えるということです。札幌記念で前に行った馬はトーラスジェミニだけだったので、道中で自分のペースに持っていくのにもそれほど苦ではなかったはずです。斤量も52キロと動きやすく、吉田騎手も思いきって前に出ました。今回は全馬同斤な上に逃げを主張してペースを作りたい馬も数頭います。そこでの吉田騎手の判断が難しく、阪神コースという形態上、坂を2回登るため、あまり序盤からペースを上げたくはないはずです。

オークスのような失敗をしないためにも、吉田騎手は札幌記念の時のような思いきった作戦を取るとは思いますが、どの辺りから前に出るかは判断の難しい所でもあり、その辺りがソダシの勝敗を分けると確信しています。

逆転するならファインルージュ

春の勢力で阪神2000メートルという条件で考えた場合、逆転の目がありそうな一番手は、紫苑ステークスを快勝したファインルージュ。オークスの結果は冴えませんでしたが、その紫苑ステークスがあまりにも優秀でした。

開幕馬場で内枠の馬が上位を占める中、外枠から見事に差しきった脚は、前で粘るソダシを負かす可能性を秘めています。オークスこそ後ろからの競馬になりましたが、馬群中段で脚を溜めることができ、同時に瞬発力も持ち合わせます。紫苑ステークスもラストはまだまだ余裕がある走りで、鞍上が本気で追えば、さらなる進化を見ることが出来ると考えています。

ローズステークスの取捨

前哨戦のローズステークスは去年も同じ中京開催でしたが、本番には繋がりませんでした。古馬のG1と違い、3歳では適性で勝っている馬が多いのかもしれません。といっても去年の結果だけで今年も通用しないと決めつけるのは早計なので、勝ち馬のアンドヴァラナウトは評価しておきたい所です。

馬群中段前目からの競馬でありながら、上がり最速を記録した脚はメンバーの中でひとつ抜けていました。タイムは決して速いものではないですが、2回の登坂を苦にしない所は阪神コースに変わっても強い武器になります。ただ、新馬戦から阪神コースを走っていて、初勝利まで3戦を要した所を見ると中京コースの方により適性があったとも考えられます。夏の新潟でも強い競馬で速いタイムも出しており、どちらかというと左回りの方が得意な面もありそうです。

とは言え2000メートルは2戦2勝、そしてローズステークスの完勝っぷりがあまりに見事なため、ソダシが相手でも勝ってしまうのではないかという期待は十分持てます。

天気が微妙、不良馬場なら?

3冠ラストの秋華賞ですが、良馬場とはいかない予報になっていて、週末は雨模様。雨に弱い阪神コースを考えると、重馬場でも走る馬を探しておいた方が良いでしょう。

単純に馬柱で見ると、ユーバーレーベンとアールドヴィーヴルが不良馬場での成績があります。ユーバーレーベンはゴールドシップ産駒ということもあり、体力や根性勝負に向いています。ただ、脚質という観点で考えた場合に、アールドヴィーヴルの方を上に取りたいと考えます。

アールドヴィーヴルは、その素質の高さから期待されていますが、他の有力なライバルに比べると、ラストの切れ味が劣っています。桜花賞でもオークスでも、前走のローズステークスでも善戦していて、距離や競馬場への融通も利きます。いかんせん決め手不足なところで勝ちきれていないのです。

新馬戦の競馬を見ると、不良馬場での差し脚にも関わらず、他の馬よりも1秒近く速い上がりを繰り出しており、重たい馬場のおかげで欠点の決め手の無さを上手く相殺されている形になっています。

秋華賞当日にどれだけ重馬場になるかは分かりませんが、良でもそれなりに実力のある馬なので押さえておいて損はないと考えています。

穴を狙うの無謀?

今年の秋華賞は、ソダシを始めとした上位グループと、下位グループとの差がかなりありそうで、あまり大きな穴を狙わない方が良いと考えています。ですが、あえて挙げるのならば、アナザーリリックでしょうか。

週始めに穴と考えていたタガノパッションが抽選にもれてしまったので、そこは残念ですが、次点で考えると条件的に不利な関東馬ではありますが、アナザーリリックが面白いと思います。

中山の重馬場でも勝っているので、まず雨でも走れるということが一点、そして前走の佐渡ステークスでのゴルトベルクを差しきった強烈な差し脚が二点目。最後にNHKマイルカップ時はプラス12キロと仕上がっていない状態で、体調の問題があった可能性が高いのが三点目。

今年は魅力的な馬が数多く出走してくるので、馬券的に手を広げるのはお財布と相談しながらになりますが、余裕次第では狙ってみるのもいいと思います。

秋華賞の各馬の仕上がりをチェック!

3歳牝馬3冠ラストということで、さぞかし気合いの入った攻めかと思いきや、各陣営当週は控えめ。気候が涼しくなったこともあり、極端な調教で身体を痛めないようにしているのもあると思いますが、この先を考えているという陣営もありそう。

栗東の坂路は全体的に時計を要しており上がり重点の馬が多く、美浦のウッドコースは相変わらず速いタイムが出ています。休み明けのユーバーレーベン、アカイトリノムスメに関してはユーバーレーベンの方が身体の動きは良いですが、見た目が多少太く、アカイトリノムスメは飽くまでも今週の動きしか見ていませんが、走りのキレが今一歩で、ハッキリ言って巷で言われているほど良くは見えません。

これ!といった良い馬が見つからないですが、その中であえて3番目まで順位を着けるなら…

1番手は スルーセブンシーズ

稍重のウッドでもしっかりと動けていて、力のあるところを見せています。春の頃よりも走りに力感が増しており、関東馬という点を気にしないのであれば、重実績もあるし、人気もないと思うので穴として面白そうです。

次点で ソダシ

この馬の動きは毎回秀逸ですが、今回も上々。桜花賞の時のような古馬並の迫力はまだないですが、そこまで求めるのは欲張りといった所でしょう。馬場が渋ってもいいと思うので、乱ペースにならず普通に回ってくれば無難に勝ち負けすると思います。

そして アンドヴァラナウト

栗東の坂路を真っ直ぐに軽やかに駆け上がっていて、前走快勝の反動は無いと見ます。成長力も素晴らしく、血統的にも重もOK。ソダシが前で揉まれて怪しくなればこの馬の差しが決まるのは濃厚でしょうか。

まとめ!

今回は基本的にソダシを中心とした固い競馬になると思います。穴を狙うとしても、調教を見る限り特別に面白そうな馬はいないため、雨も心配だから投資は控えめにしたほうが良いと思います。

◎ ソダシ

◯ アンドヴァラナウト

▲ ファインルージュ

以下

アールドヴィーヴル スルーセブンシーズ ユーバーレーベン

ぶっつけの2頭と、調教が良くないメンバーの評価を下げます。アナザーリリックは穴で買いたかったですが、プラス体重になりそうな所、動きが全く冴えない所からも見送りが妥当。アカイトリノムスメは人気と実力と状態の兼ね合いで完全に切ります。