スラ代表のG1を斬るっ! ~VOL.1 2021フェブラリーステークス

今年のダート短距離界を占うレース

チュウワウィザードやクリソベリル、タイムフライヤーと短距離でも有力なダート馬が相次いで回避し、混戦の様相を極める今年のフェブラリーS。新たな勢力も多数登録しており、まさしく世代交代か否かといった、今年のダート界を占うレースになってきそうです。

しかし、混戦は混戦なのですが、やはり軸にする「候補」は何頭かいると考えているので、前哨戦の考察をきちんとしていきます。

根岸ステークス

根岸ステークスはフェブラリーSと同じ東京競馬場で行われますが、ポイントとしては距離が1400メートルということ。フェブラリーSは単純な1ハロンの延長と考えられがちですが、東京競馬場の1600メートルはスタートからおよそ100メートルの間は芝コースであるということは大きく違う点です。

よく言われる東京ダート1600メートルは外枠が有利というのはこの為でもあります。ですが、すべての馬にこの事が当てはまるということは一概には言えません。そもそも芝の走りが良くないことからダートを使っている馬がほとんどなので、芝コースからのスタートが不得意な馬もいます。ですので、東京競馬場のダート1600メートルの良績がある馬はプラス材料になります。

さて、根岸ステークスを勝ったのはレッドルゼル、登録馬から成績順にワンダーリーデル、アルクトスまでが掲示板に載った馬です。レースはサクセスエナジーがやや速めのペースで先行し、メイショウテンスイ、スマートセラヴィが競ったために結果後ろからの馬で決着しました。稍重のダートでしたが、凍結防止剤の効果でそれほどタイムが出てなくても前が全滅する結果。そこで好位にかまえたレッドルゼルが勝ったのは当然のことだと考えられます。1600メートルを意識しての騎乗という川田騎手は、ラスト1ハロンを過ぎたあたりからムチを使って追い出し、外から猛追するワンダーリーデルの追い込みをアタマ差封じています。

1600メートル以上の距離での実績がないことから川田騎手はこういう乗り方をしたのですが、過去に距離実績のない馬で3着以内に入った馬がほとんどおらず、実際は走ってみないとわからない部分のほうが多いです。

このレースで2着に入ったワンダーリーデルも展開が向いたことが大きな好走要因であることに間違いはありません。しばらくの間、善戦こそすれ連対がなかったこの馬が連対したということは、このレースのレベルもそこまで高くなかった可能性のほうが高いと見ています。

反対に評価したいのは59キロの斤量で4着に粘ったアルクトスです。常に外側を回らされ、ロスのある走りを強いられました。ですがラストでは内を上手くついて上がってきました。どちらかというと冬場のダートよりも夏場のような湿気のあるときのダートのほうが向いてはいますが、全くダメということもなく、過剰な人気をしないのであれば狙ってみたい1頭です。

東海ステークス

東海ステークスを勝ったのは成長著しいオーヴェルニュです。レースのメンバーそのものはそこまで強くないものの、この馬自身は速いペースからの押しきりという強い内容で勝っています。

レースはインティが抑えが効かず行ってしまい、速いペースになった形。そこで2番手に構えたオーヴェルニュがラスト200メートルで早々先頭に立ち、後続を寄せ付けませんでした。濡れたダートのほうが得意な傾向がありますが、速いペースのなかで終始前々で押しきったオーヴェルニュには成長を感じずにはいられません。

過去3走で全く違う条件で完勝しており、本格化している可能性が高いと考えます。週末は晴れの予報ですが、仮に雨でも降ればこの馬に敵う馬は、今回のメンバーにはいなかったと思います。

インティは馬場のせいかどうかはわかりませんが、制御が効かず惨敗してしまいました。あてにならない面は未だに消えておらず、今回も本命にするのは難しいです。

チャンピオンズカップ

チャンピオンズカップは大本命のクリソベリルが敗れ、チュウワウィザードがこれでもかという強さを見せつけたレースになりました。

中京競馬場は得てしてコース相性による優越が勝負を分けることが多い競馬場であり、このチャンピオンズカップに関しても例外ではありません。また、枠順による有利不利も大きく、ここの結果がフェブラリーSに直結するかと言えば、そうではないと考えます。ここで6着と7着に敗れたカフェファラオとエアスピネルは、どちらも東京競馬場の方が相性が良く、特にもともと芝を走っていて、芝スタートを最大限利用できるエアスピネルの巻き返しには注意したいと考えます。

3着に入った武蔵野ステークスは今回のフェブラリーSと同じ条件で、その時はスタートから位置を取れており、好走の要因になっています。実力的な課題はあると思いますが、混戦の今回なら穴で狙ってみるのも面白そうです。

その他のレース

前走重賞以外のレースからの好走馬も、1頭だけ過去にはいます。コパノリッキーがオープン特別惨敗から16番人気で勝った衝撃は記憶にあるでしょうか。

今回のメンバーを見渡すと前走で重賞に出ていない馬が1頭います。小倉の門司Sを勝ったソリストサンダーです。

もともとダートの素質馬で、去年の夏ころから段々と強くなってきました。これといったクセもなく、相手なりに器用に競馬が出来るタイプで、今回のような混戦に向くと考えています。去年の武蔵野ステークスも立ち回り次第では1着もあり得たので、展開も向きそうな今回はエアスピネル同様、穴として狙うのも面白いと思います。

🔰好調教馬をご紹介

今回はG1ということもあり、各陣営ともにキッチリと仕上げてきています。栗東の坂路追いは降雪の影響があり、詳細を確認出来ない馬も何頭かいました。コース追い切りも含め、総じてタイムを出しての追い切りが目立っている印象です。

アルクトス 特★★★★★

久しぶりに特を着けます、数少ない関東馬で美浦の坂路追いですが、駆け上がるフットワークが素晴らしく、バネのように弾むように最後までしっかりと走っています。冬場のダートは微妙ですが、斤量減の影響での好走が期待できます。

ソリストサンダー ★★★★★

こちらは栗東の坂路を非常に軽やかに駆け上がっています。雪の弱い時間帯でしたが、重たい坂路コースを最後までぶれずにしっかりとした脚どりで、かなり好調な様子に見えます。

インティ ★★★★

雪が降りしきる坂路コースで、最後まで力強く伸び切りました。全体のタイムは控えめですが、走りのバランスや力感が素晴らしく、体調の良さが目立ちます。窮屈な1枠に入りましたが、自分のレースが出来れば面白そうです。