スラ代表のG1を斬るっ! ~vol8 2020阪神ジュベナイルフィリーズ

クリソベリルの敗戦

国内では正しく無敵のような強さを見せていたクリソベリルが、まさかの4着に負けてしまいました。

競馬に絶対はないという事を改めて認識しましたが、敗戦の理由の考察も大事になってくると思います。

道中でヨシオに当てられたという情報がありますが、特に審議になることもなく、極普通にレース中にある範囲のものだと思います。

ポイントは、サウジアラビアでの惨敗にあります。

国際輸送もあり、ベストコンディションではなかったとは言え、負けすぎな面は否めないと思っていました。

その大きな馬体からは想像できないですが、他の馬よりも神経質な面を持っているのかもしれません。それに加えて今回は始めて間隔の詰まった状態でのレースでした。

サラブレッドは賢い動物なので、レースの後は休むことを知っています。クリソベリルも、いつものようにしばらく間隔が開くと思い、自分で体を作りきれなかったのだと思います。

そのあたりが、ひと月で12キロ増という体重につながっていたのだと思いました。

阪神ジュベナイルフィリーズ

はやいもので、今年もあと1ヵ月を切り、有馬記念までのカウントダウンが始まってしまいました。

今週からは2歳のG1レースが続きます。

その第1段として牝馬で行われる阪神ジュベナイルフィリーズが今週開催されます。

最近は波乱が少ない

ひと昔前までは、若い牝馬のレースということもあり、荒れることもしばしばありましたが、最近のレース傾向としては重賞やオープン特別などで結果を出してきた馬に関しては、しっかりと上位にくる事が多いです。

去年のリアアメリアのような少し気性の悪い馬は要注意なのは変わりませんが。

今年の出走馬の中で注目を集めてるのは、なんといっても白毛のソダシでしょう。

まずはそのソダシから強さを考察します。

白毛のソダシ

競走馬の毛色で白というのは珍しく、キチンと調教され、競走馬として世に出てくる数は最も少ないです。

加えてソダシはその実力も高いんですね。

前走のアルテミスステークスでその真価が問われました。

北海道での2戦は両方とも距離が1800メートルと、長めの距離でした。豊富な体力と持続力を生かし、札幌2歳ステークスでは2歳レコードを出す優秀な走りで、ファンを驚かせてくれましたね。

前走の東京競馬場のアルテミスステークスは1600メートルで左回り。

それまでの2戦とは条件が大きく異なります。ですがここでも外枠から先行して2番手を進み、そのまま押しきってしまいました。

北海道での洋芝のレースから見ると、父クロフネの影響からパワータイプでスピードのキレが必要な東京1600メートルのレースは向かないと自分は考えていました。

2着に入ったククナが追い込みタイプで、33.5の上がりタイムで走っていますが、それでも0.3秒も着差がつきました。

ですがこれは、今年の東京競馬場のクッション値を意識した、力のいる特殊な馬場に助けられた面がかなりあると思います。

その日行われた3勝クラスでの1600メートルのレースタイムが1.32.8とそこそこの速いタイムが出ていました。

アルテミスステークスの走破タイムは1.34.9でしたので、タイム的にも強くは推せない印象です。

阪神ジュベナイルフィリーズでは先行馬が揃っているので、パワーとスタミナを生かせるレースが出来るこの馬は、展開面では向きそうですが、まだ対戦していない末脚の鋭い実力馬に負けてしまう可能性はあると思います。

前哨戦の考察

次に前哨戦の考察です。

2歳戦ということもあり、キャリアの少ない馬が多いレースです。

その中で、明確に前哨戦と位置付けられているのは、先にあげたアルテミスステークスと、今年は阪神競馬場で行われたファンタジーステークスです。

アルテミスステークス

ソダシがその先行力を見せつけた形になりましたが、このレースで惨敗したユーバーレーベンとウインアグライアの2頭は、その走りから本番のジュベナイルフィリーズでも苦戦は必至だと思います。

2着に入ったククナはこのレースに登録がありませんが、新馬戦でジュベナイルフィリーズに出てくるオパールムーンに完敗しています。

単純なレース結果の比較はいけませんが、このことによりオパールムーンにもチャンスが十分あると感じます。

ファンタジーステークス

関西の有力馬が集まったこのレースでは、2歳レコードが出ました。

開幕から速いタイムが出ていて、前の馬が止まらない競馬が先週でも見られます。

ここを勝ったのが、メイケイエール。スタートしてからコーナーを回るまで、ほぼ外を回らされていて、しかもレジェンドの言うことを聞かず、レース中ほとんどの時間イレ込んでいる状態でした。

こんな雑なレースをしていても勝ちきってしまうポテンシャルは、おそらくメンバー随一でしょう。

ラストは脚が上がったとはいえ1400メートルのレースに対応したことは一定の収穫であると考えます。

しかし、ジュベナイルフィリーズは1600メートルですので、この時のようなレースをしていたらとても勝てません。前走からの間隔もそこまで開いていないので、気性的な成長を求めるのも酷です。

鞍上のレジェンドもその辺りは把握しているはずなので、どう乗ってくるか注目が集まります。

このレースで2着に入ったオパールムーンはただ1頭だけ33秒台の脚で追い込みました。ハイペースになったとは言え、この前残りの馬場で追い込み、2着まで入るということは、相当な脚力の強さがあるということを物語っています。

ジュベナイルフィリーズでは距離が長い分、追走が楽になることに加えて、先行馬が揃っていて、ペースが流れることが予想されます。そうすればこのオパールムーンの差し脚が届く可能性は高いです。

その他のレース

トライアルレース以外での注目馬は、まず前走のサウジアラビアRCを2着したインフィナイトでしょう。

ブラックスピネルを半兄に持っています。ブラックスピネルも早くから活躍していた馬で、他にもローズベリルやモーヴサファイヤといった、どちらかと言うとパワータイプの血統です。前2走ともに重たい馬場でしたので、その適性が出たのかもしれませんが、未だ良馬場を走っていないという未知な魅力もあります。

そしてサフラン賞を勝ち上がったサトノレイナスも、そこそこ上の実力をもっていると感じます。タイムの出ない中山で、ほぼ最後方から差しきった脚力は秀逸です。

問題は関西への輸送とエンジンのかかりの遅さ。サフラン賞の時はあまりにも馬が反応しないためルメールが珍しく内に突っ込んでいます。ようやくエンジンがかかったのがゴールの150メートルくらい前。そこから脚力だけで突き抜けた強さは認めますが、今の前が有利な阪神コースを考えるとかなりの不安はあります。

もう一頭挙げるとすれば、このレースと相性の良い白菊賞を勝ったエイシンヒテンです。今年は阪神競馬場で行われているため、予行演習としては申し分ないレースでした。

新馬戦を控えて惨敗したあと、2戦を経てレジェンドの騎乗が父譲りの先行力を引き出しました。スローの立ち上がりから徐々にペースを上げて、上がり33.9でまとめた走りは評価できます。同じ先行型の馬が多い事とキャリアの多い馬が活躍していないレースな所が不安ですが、押さえて番手でも競馬が出来るので、穴として考えるのには良い馬だと思います。

好調教馬をご紹介!

2歳で牝馬ということもあり、ウッドコースではなかなか良く動く馬も少ないのと、気性の甘い馬が多いので、あまり調教では強く追っていない馬が多い現状。

そんな中でも目立った馬を紹介します。

インフィナイト ★★★★

ラチ沿いではありますが、とても力強く真っ直ぐに登坂出来ています。タイムも2歳としては優秀で、喉なりがウワサされますが、現状での体調面はまったく問題はなさそうです。

メイケイエール ★★★★

ウッドコースを軽めに、折り合い重視で走っています。軽やかな脚どりで走れていて、力みは見られません。今回は大外枠に入ってしまいましたが、レースにいって落ち着いていれば、1600メートルでも、距離はもちそうな走りです。

ジェラルディーナ ★★★☆

こちらも多少ラチを頼ってはいますが、真っ直ぐに一直線に走れています。まだ身体の出来ていない2歳としては、なかなかの走り。実力的にイマイチですが、やはりジェンティルドンナの娘だけあって、ポテンシャルは伺えます。

クラシック候補が出るか?

このレースの中からクラシック候補が出るとは言えませんが、混戦だけに多数の逸材が揃った印象です。将来的には走ってきそうな馬も沢山いるので、しっかりと見極めていきたいですね!